観る将さんは語りたい

すっかり観る将になってしまった、元指す将の将棋観戦記録です

大波乱の第81期順位戦C級1組

第81期順位戦 C級1組5回戦

第81期C級1組が先日折り返しに入った。 4回戦までは全勝が多かったのだが、5回戦で全勝の多くが負けてしまい、大波乱状態になった。

現状、伊藤匠五段が唯一の傷なしでトップに立った。 以下、一敗勢が、

の8人にまで膨れ上がり、さらに二敗勢が

の6人、合計で15人が上位を争う混戦模様と化した。 勝ち数で一歩抜きん出いる伊藤匠五段が有利なのは変わらないが、去年の佐々木勇気七段の急ブレーキ現象などを見ていると、順位戦は途中経過では全く評価出来ない戦いである事は容易に想像出来る。 伊藤匠五段は残る五戦も強敵揃いなので、全勝で突っ走れる保証はまったくない。 特に、高橋道雄九段、船江恒平六段の二人は実力者なので、相当苦戦することが予想される。

今後の進展

先に挙げた15人の中では、伊藤匠五段と宮田敦史七段は上位陣と当たり終えているので、勝ち星を積み上げる事ができれば、順位をキープする事が可能だ。 それ以外の13人は誰かしらがお互いにどこかでぶつかり合うようになっていて、一敗が即昇級レースからの脱落に繋がっていて、スリリングな順位戦になっている。

毎度この時期の順位戦は混戦模様になる事が多いのだが、C級1組が荒れるのは久しぶり。 観る将さん的には、久々に予想が出来ない順位戦となっている。

余談

ちなみに、今期はA級とC級2組もなかなかの混戦模様になっている。 A級は佐藤康光九段が四連敗という出だして相当苦戦模様だが、それ以外はほぼ膠着状態。 力が拮抗した人たちがA級にいるんだなと改めて感じる。

C級2組では、勢いのある新人となかなかチャンスを掴めないベテラン勢が熾烈な戦いを繰り広げていて、こちらも昇級が全く読めない状況になっている。 個人的には、今全勝で突っ走っている今泉健司五段にはこのチャンスを掴んで昇級して欲しいなと思っている。 毎年昇級争いに絡むのだが、あと一歩で届かないという事が度々あったが、今回は昇級候補が早々にコケてしまった事もあり、チャンスは十二分にある。 最終局の古賀悠聖四段との対局が鬼勝負になる可能性が高いので、最終局を楽しみにしたいと思っている。