観る将さんは語りたい

すっかり観る将になってしまった、元指す将の将棋観戦記録です

21歳の挑戦者、棋王戦で伊藤匠七段が挑戦

棋王戦の挑戦者が伊藤匠七段に

数日前のニュースではあるが、第49期棋王戦の挑戦者が伊藤匠七段に決まった。 挑戦者決勝トーナメントを見ると分かる通り、敗者復活戦からの連勝での勝ち上がり。これは中々凄い記録である。

21歳の挑戦者

21歳でタイトル挑戦2回というのは、とんでもない記録であり、誰がどう見ても天才の枠になるのだが、藤井聡太八冠というあまりにもとてつもない記録の持ち主が同世代にいるので、記録が霞んでしまうのは、あまりにも可哀想だ……。

それにしても、竜王戦ドリームに続き、棋王戦でも勝ち上がっている所からすると、同世代の最強がいると、非常に強い影響を受けることが分かる。 藤井聡太世代はまだ形成されるほど層が厚くないが、その内、この世代が華々しく活躍するのではないだろうかという期待をどうしてもしてしまう。

世代について

古くはチャイルドブランドや羽生世代といった強力な若手が出てくるのが将棋界の常であったが、それらを引っ張っているのは、強力な先駆者(一強)が出てくることが前提で、谷川、羽生、そして藤井聡太という先駆者が世代を作る原動力になったと言えよう。

本来なら、羽生-藤井聡太の間に渡辺世代とも呼ぶべき世代が存在していたはずだが、その上の世代である羽生世代の寿命が長すぎて、ついにぞ渡辺世代と呼ばれる世代は生まれなかった。

このブログを古くから読んでいる人は、僕が勝手に佐々木勇気世代と呼んだ世代が存在している事も知っているだろうが、これはあまりにも知名度が低く、誰も知らないし、今後も広まらないだろうと思う。

世代と呼ばれるような厚い層が生まれるか生まれないかの条件は色々あると思うが、羽生世代が登場した時と似たような雰囲気を僕は感じている。 羽生善治は当然強かったのだが、他にも同世代の強い棋士がたくさんいた。 羽生-森内-佐藤康光の三人がライバル関係として奮闘したように、藤井聡太、伊藤匠、そして誰かもう一人が名乗りを挙げて戦いに挑んでくる事をどうしても期待してしまう。

条件的には、2000年以降生まれの棋士で、藤井聡太八冠と伊藤匠七段を除くと

  • 横山 友紀 四段 2000年1月26日 23歳
  • 古賀 悠聖 五段 2001年1月1日 22歳
  • 森本 才跳 四段 2001年5月31日 22歳
  • 狩山 幹生 四段 2001年11月12日 22歳
  • 高田 明浩 四段 2002年6月20日 21歳
  • 上野 裕寿 四段 2003年5月5日 20歳
  • 藤本 渚 四段 2005年7月18日 18歳

この辺がその層を形成する可能性がある。 現在最年少棋士の藤本渚四段は、今年度勝率ランキングでトップ(35勝6敗-.854)を走っている。 他の棋士は目立った記録はないものの、例えば高田四段は、C2の昇級候補、古賀五段もC1の昇級候補となっており、これからどんどん伸びていくのが見て取れる。

現状一番伸びているのが藤本四段なので、もしかしたら最後の1ピースを埋めるのは彼なのかもしれない。

将来振り返ってこのブログを見直した時、ここに挙げていた誰かがタイトルを奪取していたとしても、そう驚くことは無いだろう。歴史は繰り返すのだから。

最後に

2023年の最後は、藤井聡太世代に想いを寄せる記事となった。 毎年、年末になるとゴリゴリ記事を書いている気がしているが、もう少しいいペースで記事を書いていければと思っている。

という事で、また来年もよろしくお願いします。 次の、順位戦昇級予想記事でまたお会いしましょう。