順位戦 予想
第80期の順位戦もほぼ、結果が固まってきた。 来月の頭頃には、昇級/降級が決まる。
ここで色々とおさらいをしよう。
A級
昨年に続き、斎藤慎太郎八段が挑戦者に決まった。 時間の長い将棋での安定した勝ち方が素晴らしい成績に繋がっている。 今期は順位戦で無敗。これは中々出せない記録である。 3/3に糸谷八段との最終戦があるが、そこでも素晴らしい将棋を見せてくれるに違いない。
一方、羽生九段と山崎八段が降級が決まったのが非常に悲しいニュースである。 特に、山崎八段は、佐藤康光九段に負けた将棋があまりにも残念な内容で、悲しい限り。 山崎八段の最終戦は永瀬王座。 一矢報いるか、それとも完膚無きに叩きのめさるか。 最後の一戦に注目である。
羽生九段は最終戦が広瀬八段。 実は、広瀬八段もかなり調子を落としており、最近は中々勝ち星を積み重ねる事が出来ていない。 不調同士ながら、このブログで記事にしたこともある将棋を指しているので、やや羽生九段有利か。
B級1組
昇級候補は当然藤井聡太五冠ではあるが、最終戦は佐々木勇気七段。 七連勝の後の四連敗は流石に読めなかった。屋敷九段に負けたのがきっかけで、精彩を欠いてしまったか。 こういうムラっけがある所が佐々木勇気七段が、中々目立った成績を残せない所なのかもしれない。 とはいえ、対戦相手が藤井聡太五冠であるならば、気合の入り方も変わるはずなので、勝敗はまったく読めない。
それ以外の昇級候補としては、稲葉八段と千田七段。 千田七段としては、強敵である藤井聡太五冠を破っているので、是が非でも昇級したいに違いない。 対戦相手は木村九段で、木村九段は降級するかしないかの瀬戸際であるため、ここが鬼勝負になる。
一方の稲葉八段は、対戦相手が郷田九段。郷田九段は昇級にも降級にも関わってこないので、いわゆる消化試合に近い。 とはいえ、あの郷田九段は簡単に稲葉八段のアシストをするような棋士ではないので、熱戦が期待される。
B級2組
B級2組は既に2人昇級が決まっていて、澤田真吾七段と中村太地七段。 そして、最後の1枠を巡って、丸山九段と鈴木大介九段が争っている。 順位の関係上丸山九段が有利ではあるが、負けると昇級を逃してしまうため、最終戦も気が抜けない。
鈴木大介九段は、対戦相手が既に昇級の決まっている中村太地七段であるため、心象的にはやりやすいかもしれない。 中村太地七段はしっかりとした実力者ではあるが、勝負師としてはかなり甘いため、最終戦負けてしまう可能性がゼロではない。
一方の丸山九段の対戦相手は中田宏樹八段。今期は1勝8敗というかなり厳しい成績を残している。 来期以降の順位にも関わってくるので、中田八段がどこまで足掻くか注目ポイントである。
C級1組
C級1組はまだ混戦模様を極めていて及川七段以外は未定。 順位的には大橋六段が有利。しかし、最終戦で負けると他の候補者の成績の関係上頭ハネを受けてしまう。
残りの2枠争いに飯島八段と高橋道雄九段が加わっている。まさかのベテラン勢2人が昇級争いに絡むとは誰も予想していなかった。 特に、高橋九段が昇級したとなると、中々の記録になるのではないだろうか。
いずれにせよ、最終戦に勝った人が昇級出来るので、3/8のC級1組は見ものである。
C級2組
C級2組は西田拓也五段が無傷の9勝で昇級を決めた。 残り2枠を服部四段、渡辺和史四段、伊藤匠四段、そしてキャンセル待ちで杉本五段が枠を争っている。 ここも誰が勝つのか全く読めないので、純粋に順位の良さがそのまま昇級のしやすさに繋がっている。
ここでの注目はやはり伊藤匠四段か。 最年少棋士が、順位戦初参戦で初昇級となれば、話題性も十分。 記録がどこまで伸びるか分からないが、このチャンスを物にして欲しいというのは、観る将のワガママであろう。
総括
順位戦には様々なドラマがある。 3/10が今期の順位戦の最終日。 二週間後には全てが決まることになる。 今の将棋界のレベルは非常に高くなっていて、最終戦になるまで昇級/降級が決まらなくなっている。 3/2からの順位戦の結果が本当に楽しみである。